おいしいご飯        

●46話




「おいしいね。」
 ノエルは個室に用意された膳で食すが、史絵奈とナビは、さすがに専用の膳は用意されなかった。
 大部屋で女中達とともに大卓に盛られた料理を、口に入れるのだが、それらの食事は、史絵奈の口には合った。
 必死にかけ込み、モグモグムシャムシャ。夢中で食べる。
 国の風習を必死になって覚えて頭を使い、慣れない動きをして四苦八苦する毎日は、お腹を空かせるには充分な労働なのだ。
 そのうえ、マムルーク国内は自然が色濃く残っていた。空気からして綺麗でおいしいものだ。
 大自然の恵みを、そのまま調理した野菜や果物達は、精が強く、アクだってキツかった。
 空いたお腹に、入ってくる料理は単純なものだ。
 醤油やマヨネーズ、ソースなんてのが、あるわけないので、ほとんどが塩味のみ。
 蒸かしたり、湯がいたりしただけの野菜達からは、素材の味を味わえた。
 肉が出る日はほとんどなかったが、豆類は豊富に出る。
 屋敷内で放し飼いにされている鳥の卵と豆料理で、タンパク質を補う生活を、村の人々は送っているのが、毎日出る食事を見る事で、分かるのだった。







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