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          その後三人は・・・2。        

●31話




 そんなこんなで、ひとしきり雑談した3人は、日が落ちないうちに、水を飲みに行こうと楓吾の言葉で、みんなで水を飲みに行く。
 水を飲んだ後は、トイレを済ませて小屋に入る。
「俺もトイレ。」
 さきに小屋に戻った楓吾が、入れ違いに外に出た後は、なかなか帰ってこない。
 最近いつもそうだった。
 寝る前のトイレが、やたら長い。
「今日は、いつもより長いわね~。」
 なんて言ったら、ナビが一言
「布をかぶった史絵奈が可愛かったからだよ。
 楓吾と、セックスしてあげなよ。」
 と返してくるのである。
(・・・・。)
 一瞬、耳を疑った。
「何言ってるの。ナビ。・・あなた意味分かって言ってるの?」
「分かっているよ。チューして、一緒にお布団のなかで眠るんでしょ?」
 訳知り顔で言ってくる彼女は、ハタッと何か思い至ったらしい。
「あっ、ここにはお布団ないから、できないね。」
 無邪気に言ってくるので、さすがにパコンと彼女の頭の軽く叩いた。
 この子のモデルは、決して史絵奈ではない・・・。
(絶対。私の子供の頃って、こんなじゃなかったはず!)
 心の中の叫びが、なぜだか虚しく響いたのは、なぜだろうか。
「子供は早く寝なさい。」
 脱力してつぶやいた言葉は、小さくかすれていた。
「明日は、ここを出るんだから、先に寝ときましょう。」
「うん。」
 史絵奈の言葉に、素直に頷いて、床の上に直接横になるナビを見て、
「床の上・・痛くない?」
 と聞くと、
「痛いよ。」
 と、顔をしかめて返してくる姿は、なまじ子供の姿をしているだけに、痛々しく映る。
 それを聞いて、楓吾がマムルークの民と知り合ってよかったと思った。
 少なくとも、明日にはここよりもっとマシな場所で眠れるだろうから。
「私の側にくる?」
 と、問いかけると、彼女は首を振った。
「ナビは大丈夫だよ。・・・けど、夜になると段々寒くなってくるね。暖かくなる魔法でもかけとこうか?」
 と言ってくるので、史絵奈は目を開いて
「そんな便利な魔法もあるの?」
 と聞くと、
「あるよ。温度あげるくらいなら簡単。小屋内なら魔法はかけ放題だしね。」
「便利な魔法ね・・。」
 呟く史絵奈に、
「便利だから魔法なんじゃない。」
 と事も投げに答えてきた。そして、身を起こすと、手を組み合わせて印を結び出し、キラキラ光る球体を具現化させた。
 いきなりそれを放りなげると、中空でパンと弾けて細かいキラキラが舞い降りてくる。
 同時にほんわかと温度が上昇しだした。
「・・・ナビは疲れたよ。おやすみ。」
 魔法が効果を発揮したのを確認すると、大きなあくびをもらしてナビは横になる。
 速やかに寝息を立て始める彼女はさすがだ。
 暖かくなってくると、板の上でも格段に過ごしやすい。
 しばらくナビの寝顔を見ていた史絵奈だったが、自分だって眠気が襲ってくるので、自然な眠りに身をまかせてゆくのだった。





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