●18話


 史絵奈はあわてて、女性に術をかけられた時に、自分が見た映像の経緯を説明した。
 さらに、楓吾が見た映像・・・彼には、ものすごい光の渦しか見えなかったらしい。気が付いたら、ここに飛ばされていた状態ようだった。
 ・・・の話を聞いた上で、さらに自分の視界に浮かぶ映像の説明を、史絵奈なりの意見を交えて話してみた。
 すると、彼は頭をガシガシかきむしって、
「・・なんだかややこしいなあ・・。とにかく、黄色いフォルダが史絵奈の視界に浮かんでいるんだな。」
 と、現状を確認するかのように念を押してくるのを、
「風海君には、見えるかなあ?」
 と、問いかける。
 彼は首を横に振って「見えない。」と軽く返してくる。そして、間髪入れずに、
「そのフォルダの中味。喜佐の話からすると・・・かなりヤバいぞ。
 パソコンのようにフォルダの形で浮かんでいるのだとすれば、何らかの方法を使えば展開できる可能性があるはずだな。」
 自分で言って、楓吾はハッとなったようだ。
「・・・喜佐。間違っても、そのフォルダを開けるなよ。開ける方法なんて、模索するんじゃないぞ。」
 真剣な瞳で諭す楓吾は、分かっていなかった。
 そんな風に説明されて、ずっと触れずにいられる史絵奈では、なかったのだ。
 けれども、言われた時は、さすがに彼の言葉を、否定する気にはなれなかった。
 史絵奈もフォルダの中味を無邪気に触って、取り返しがつかなくなるのが恐ろしかったから、彼に相談したのもあるのだから・・・。
 『詮索するなよ。』のコメントを受けて、逆にホッとして、と素直にうなずいたくらいだった。
 けれども、森の中に落ちてしまった二人の状況は、そう甘いものじゃなかった。




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